《書 評》鈴木荘一(日本プライマリ・ケア学会副会長/鈴木内科医院長)
本書の意義については,ノースウェスタン大学医学部「倫理と人間性の価値についてのプログラム」キャスリン・モントゴメリ博士が序文に的確に述べておられる。その序文の内容をほんの要点だけを以下に紹介してみたい。
●本書は,JAMA(アメリカ医師会誌)のコラム『A Piece of My Mind』から編まれた主に医師,時に患者らによって書かれた100篇のエッセイ集である。
●本書は,医学生臨床教育の話で始まり,おそらくベテランの教育者である医師が,絶望的な病気で自分が若い医師の患者となる話で終わる。
●著者たちは世界に挑戦したり病気を征服しようという「白衣の戦士」ではない。患者とその家族をケアしながら,常にさまざまな考えや思いを抱える人々であり,恐怖や嫌悪感を克服しながら,自分たちの職業の意味を発見する。
●長い1日の終わりに,ほっとするような体験話も読むことができる。
●そして何よりも,経験豊富な医師たちが身につけた知恵について語られるだけでなく,そのような知恵を身につけることがどれだけ困難で苦痛を伴うものであるか,いかにして死と対峙し,どのようにして医師としての感情を制御するのか,生き残るためにはどうすべきか,そして,医の一生にはどのような報償が待っているのかという,これまでに語られることのなかったカリキュラムが明らかにされている。
〈上巻〉四六判・頁314 定価(本体2,000円+税)
〈下巻〉四六判・頁330 定価(本体2,000円+税)
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